演出家ノート

この作品は全寮制の学校で過ごしている高校生4人の物語です。
彼らの24時間は全て、卒業した後、その階級や立場に相応しい者になるためにあります。

閉ざされ、抑圧された繰り返しの日々の中で彼らが求めたのは「ここではない世界の入口」だった。そして、古い一冊の『ロミオとジュリエット』を手に入れる。

若い二人の命を掛けた恋物語。

4人は真夜中に部屋を抜け出し、月明かりの中、本を開く。
そこには口にしたことのない言葉があり、出会ったことのない気持ちがあり、言葉にする方法を知らなかった何かが言葉になっていた。

口元に宿る初めての言葉、感覚、感触、震え。口にすることの喜びと煌めきと、感じたことのない衝動への恐怖。

始まりはただの遊びから、やがて物語と現実の境界線が消えていき、物語の関係が現実の関係になっていく。
生涯忘れることは出来ない、鈍く光る、たまらなく切なく哀しい、鮮明な記憶。

観客のみなさまは、4人の男子学生の匂いも眼差しも、まるで素手で触れたような体験をすることになるでしょう。

演出家プロフィール

田中 麻衣子(たなか まいこ)

兵庫県宝塚市生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。
日本の近代戯曲からギリシャ悲劇やシェイクスピア等の海外古典、新作ミュージカルなど、多岐に渡り手がける。最近の演出作品に『パレードを待ちながら』、『A New Musical ゆびさきと恋々』、『地熱』、『怪物/The Monster』、『どうぶつ会議』、『Shakespear’s R&J』、『血の婚礼』、『オフ・ブロードウェイミュージカル Ordinary Days 』、『燃ゆる暗闇にて』他。Théâtre MUIBO主宰。2014年文化庁文化庁派遣新進芸術家制度でロンドンにて研修。新国立劇場演劇研修所学年担任。
2022年11月に演出した『ライカムで待っとく』(主催:KAAT神奈川芸術劇場)が第30回読売演劇大賞作品賞受賞。

ストーリー

鐘の音に24時間を支配されている厳格なカソリックの全寮制男子校で暮らす4人の生徒たち。

抑圧された環境の下、4人は夜中にこっそりベッドを抜け出し、読むことを禁じられているシェイクスピアの『ロミオとジュリエット』のリーディングを始める。
見つかってしまうのではないかという不安におびえながら、夢中になっていく少年たち。

ロミオ、ジュリエット、修道士ロレンス、乳母、ヴェローナ大公……。

たった4人で様々な登場人物を演じていくうちに、彼らは新たな自分たちを見つけていく。

原作「ロミオとジュリエット」あらすじ

舞台は14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。
この街では2つの名家が代々争いを続けていた。
モンタギュー家の一人息子ロミオは、気晴らしに忍び込んだ仇敵キャピュレット家の仮面舞踏会で当家の一人娘ジュリエットと出会い恋に落ち、次の日には親や友人たちにも秘密裏に婚礼を挙げる。
しかしその直後、両家従者の喧嘩に巻き込まれたロミオが、親友マキューシオを殺された怒りのままジュリエットの従兄ティボルトを殺してしまう。
お尋ね者となり他の街へ身を寄せるロミオ。そして追い打ちをかけるようにジュリエットは父から別の男との結婚を命じられる。

思い余ったジュリエットは修道士ロレンスに相談すると、ロレンスは42時間仮死状態になる薬を彼女に渡し、ジュリエットが死んだ事として周囲を欺き、2人を逃がす計画をたてる。しかし不運な行き違いでロレンスからの手紙はロミオに届かず、ジュリエットが死んだと思い込んだロミオは彼女の亡骸を前に毒をあおって自害してしまう。仮死状態から目覚めたジュリエットは死んだロミオを見て絶望し、短剣で自らを刺し命を絶った。

翌朝この惨劇を知った二人の親は両家の争いの代償を悔い、和解してこの争いに終止符を打った。
――たった5日間の悲恋の物語。

相関図

相関図

キャスト&スタッフ

  • 北川拓実
    学生1

    北川拓実

    少年忍者/ジャニーズJr.)

    Romeo

    北川 拓実 少年忍者/ジャニーズJr.)

    Kitagawa Takumi
    2004年生まれ。埼玉県出身。
    2016年にジャニーズ事務所に入所。ジャニーズJr.内ユニット少年忍者のメンバーとして活動中。
    主な舞台作品は『火の顔』、『ドン・カルロス』(ともに2021年 深作健太演出)

    オーディションの前に台本を読ませていただいたのですが、まず『ロミオとジュリエット』を男性の4人で演じる作品ということにびっくりしました。他の舞台を観て、女性が登場することも登場人物が多いことも知っていたので、「あれをたった4人で? しかも男性だけで?」と。
    そして僕が演じる学生1は、主にロミオを演じる役。ロミオといえば誰もが名前を知っているくらい有名なキャラクターですから、僕にその役が務められるのか少し不安な点もありますが、共演する3人と稽古を重ねてしっかり演じられるように頑張りたいです。まだ僕は芝居の経験があまりなくて、これからいろんな役にどんどん挑戦して幅を広げていきたいので、この作品に参加できるチャンスを大事にしたいと思います。

  • 木戸大聖
    学生2

    木戸大聖

    Juliet, Benvolio,
    Friar, Jhon

    木戸 大聖

    Kido Taisei
    1996年生まれ。福岡県出身。
    テレビ、映画などで活動し、Netflixオリジナルシリーズ「First Love 初恋」(2022年)で注目を集める。
    主な舞台作品は音楽劇『どうぶつ会議』(2019年 田中麻衣子演出)、『日本人のへそ』(2021年 栗山民也演出) 

    やはりシェイクスピアと聞くと「難しいんじゃないのかな」と皆さん思われるかと思います。実際に僕も前回の公演を拝見したとき、「難しいな」と思いましたから。一つひとつの言いまわしや、シェイクスピアならではの表現。さらにこの作品は“学生たち4人が『ロミオとジュリエット』を演じる”お話なので、「今は『ロミジュリ』の役? それとも学生たち自身?」とわからなくなるところが何度もあったんです。
    でも今回、『ロミジュリ』やこの作品を勉強し直して思ったのは、もしかしたらそのわからない状態がいいのかもしれないということ。きっと学生たち自身も、自分と役の境目がわからなくなっていくんだろうなと考えると、そこを逆に楽しむべきなのかなと思いました。ぜひお客様にも、そんな男の子4人の様子を楽しんでもらえたら嬉しいです。

  • 青木滉平
    学生3

    青木滉平

    少年忍者/ジャニーズJr.)

    Mercutio, Friar Laurence,
    Lady Capulet

    青木 滉平 少年忍者/ジャニーズJr.)

    Aoki Kohei
    2001年生まれ。神奈川県出身。
    2016年にジャニーズ事務所に入所。ジャニーズJr.内ユニット少年忍者のメンバーとして活動中。
    空想科学劇『Kappa』~芥川龍之介『河童』より~(2021年 鈴木勝秀演出)に続き、2度目のジャニーズ公演以外の舞台に出演となる。

    この『Shakespeare's R&J』はジャニーズ公演舞台ではない作品なので、そこに同じグループ(少年忍者)の北川拓実と参加できることはすごく心強いです。拓実とは同期ですし、今回のオーディション前も一緒に練習していて、それこそ「二人とも受かったらいいね」と話していました。
    シェイクスピアにはこれまで舞台などで触れたことはありましたが、実際に台本を読んでみたら馴染みのない言葉がとても多くて、まずは漢字の読みを調べるところからでした(笑)。稽古でも最初は難しい言葉にぶつかると思うので、ご指導いただいたり自分で調べたりして頑張らなきゃいけないという気持ちです。そしていつもメンバーの活躍に刺激を受けているので、今回は僕がみんなの刺激になれるように頑張りたいです。

  • 中田圭祐
    学生4

    中田圭祐

    Tybalt, Nurse, Balthazar

    中田 圭祐

    Nakata Keisuke
    1995年生まれ。神奈川県出身。
    第29回メンズノンノモデルオーディショングランプリ。2014年よりMEN'S NON-NO専属モデル。2016年より俳優としても活動。ドラマ「僕らのミクロな終末」(2023年)にてW主演、映画「さよならモノトーン」主演(2023年秋公開予定)
    今回が初舞台となる。

    様々な映画や舞台にもなっている『ロミオとジュリエット』という偉大な作品を、男の子4人がいろんな役を演じ分けるのが、この『Shakespeare's R&J』。前回公演を拝見したのは芝居を初めて間もない頃だったので「すごいなぁ」と圧倒されるばかりでしたが、出演することになった今、かなり不安と緊張を感じています。
    さらに僕は4人の中では最年長ですが今回が初舞台なので、本当に「ヤバいぞ、これ!」と。役者仲間からも不安になるようなことを言われていますが、未知の世界に飛び込むことは好きなので、この経験を楽しみたいという気持ちが大きいです。常に挑戦者でいたいし、いろんな景色を見に行きたい。プレッシャーはありますが、しっかり稽古をして、役者として大きく成長したいと思います。

原作:W・シェイクスピア/脚色:ジョー・カラルコ
翻訳:松岡和子/演出:田中麻衣子
美術:片平圭衣子/照明:齋藤茂男/音楽:国広和毅/音響:鈴木三枝子
衣裳:丁瑩/ヘアメイク:小林雄美/演出助手:神野真理亜/舞台監督:松井啓悟
宣伝美術:郡司龍彦/撮影:神ノ川智早/制作補・票券:熊谷由子/制作:金森優依
プロデューサー:佐藤政治 浜中里枝 笛木園子(fuetree)
エグゼクティブプロデューサー:山本又一朗

主催

トライストーン・エンタテイメント
トライストーン・パブリッシング

東京公演

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曜日
13:00



14:00
18:00
19:00

●=追加公演
上演時間(予定):約2時間(休憩なし)
料金(全席指定・税込):8,000円
一般発売:2023年4月22日(土)

[託児サービス]
有料・定員制・土日祝を除く希望日1週間前までに要申込
お申込・お問い合せ:(株)ミラクス ミラクスシッター 0120-415-306(平日9:00~17:00)

・未就学児入場不可
・営業目的の転売禁止
・新型コロナ感染症対策にご協力ください
・車椅子スペースをご利用の方はチケット購入後、公演の 5 日前までに下記お問合せ先までご連絡ください

お問い合わせ

トライストーン・エンタテイメント
TEL:03-3422-7520(平日 12:00-17:00)

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